ミシン踏みのBallad

自動車内装張替シート製作レストアなどに関する様々な事を綴っていきます

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ベイツシートレプリカ茶芯本革製作裏話

当店RAZZLE DAZZLEのロングセラー商品ベイツタイプのレプリカシート。

作り始めたのは10年前位だったと思います。

当時は今ほどベイツシート自体が日本に入ってきてなく、極々マニアックな

方々のアイテムで、丁度リペアで入庫したシートを見てこれは再現して

レプリカが作れると思い立ち製作し始めたのがきっかけでした。

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たぶんこのオールドスタイルのタックロールで汎用品のソロシートを

作り販売し始めたのは当店が日本で最初だと思います。それまで

見た事ありませんでしたから。

見た目シンプルで非常にオーソドックスなシートですが製作の工程には

こういった縫製作業の基本がたくさん詰まっています。長い休み明けなどに

作業の勘を取り戻したりするのにも良い作業で手に仕事を忘れさせない意味でも

まるで野球の素振りの様な作業です。

最近よく作るのは上の写真の茶芯本革を使ったモノですが、製作の過程で

ちょっと珍しい作業をするのでご紹介します。

シワ気になりませんか??

よくシート縦方向のタックロールでシートの一番くぼんだ部分に

シワが発生しているもの見かけませんか??

物理的にどうしようもない物もあるんですが消せるものもあります。

このシートも張った直後はくぼんだ部分に細かいシワが入っていました。

本革ですと革の部分部分でも性質が変わる事がよくあるので、他の部分より

ハリの弱い部分にシワが発生していました。

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うっすらシワが入っている部分。これはすでに処置した後でもっとはっきりシワが

入っていたんです。

さらに処理。。。

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もうほとんど気にならないくらい消えました。

本革にしか使えないテクニックなんですがたまにお客さんに話すと

ビックリされる作業です笑

革に火傷させる!

こういったシワの消し方なんですが、大雑把に言うと

火であぶって革に火傷させて縮ませます。

ヒートガンだったりライターやチャッカマンなどなど。。。

シワの入っているヶ所の周辺をあぶる事で革が縮んでシワが引っ込みます。

話だけ聞くとかなり乱暴に聞こえますが実はこの方法は、欧州車の

シートなどにも見られる方法です。すべてのシートがそうではないですが、

完成した後に窯に入れて高温を浴びせて革を焼き締めてあるものがあります。

黒い革はまだやり易いんですが、白系の革は焦がしたら終わりなので

かなり神経の磨り減る作業です。

理想は張り上げた段階でビシッとするのが一番良いのですが

革の性質上どうにもならない場合はこういった裏技を使う事もあるので、もし

何か応用が出来そうな際は最新の注意を払いつつやってみてください。

 

張替に使う糸の話については

こちらの記事をチェックしてみてください☆

 

www.mishinfuminoballad.com

 

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