シートの縫製ラインに沿って一緒に縫われているパイピング。
よく出来合いの物があるんですか?って質問されることがありますが
ほとんどの場合が他の縫製物と同じくイチからの製作で行っています。
鞄に使うようなものは手芸店で売っていますが、シート関係に使うものは
長さもありますし何より表皮と同じ生地で作る必要があるので
汎用品はまず使いません。
スポンサーリンク
表皮と芯材でできている。
パイピングは表皮と芯材から出来ています。
こちらがもっとも使われている芯材↓
ゴム製のコードで数種類太さがあります。ポルシェなんかはパイピングが太いので
やや太めの芯材を使います。これはゴム製ですがプラスチックの物もあります。
カバン用のものは手芸屋さんで売っていたりしますがこのゴムの物は問屋でないと
手に入らないと思います。
張替の仕事を始めた当初はこういったものを使っているのを知らなかったので、
色々な芯材を試していたこともあります。配線に使う電線コードを使ってみたり
細い麻のロープだったり。一番しっくり来ていたのは芝刈り機の先端に付ける
草刈りコードでした笑 丸型の2mmくらい。結構使い勝手良かったんですが、
曲線のきつい所は上手く曲がってくれずでした。
今でもたま~に硬い芯が欲しい時は草刈りコードを使っています。
ちなみに昔の車には芯材に竹を使っているものを見たことがあります。
当時から職人は創意工夫をしていたんですね~
表皮を切り出して挟む
芯材に巻く表皮は長い短冊状に切り出します。
幅は大体3cm前後
で、これを使って芯材を挟んでミシンをかけます。
こんな感じです。長いパイピングを作る時は短冊に切り出した表皮を
途中で継ぎ合わせるんですが、それも綺麗に仕上げるには手間をかけます。
挟んでミシンをかけると丁度ステッチが芯材の際から
6~7mm位のところに入ります。
ミシンの押さえの左端から針の落ちるところまで大体6~7mm
で本番の縫い合わせのステッチは抑えの左端の位置に入るので、ステッチの
すぐ右で裁断すれば縫い代が8mmくらい取れている事になるのでこれを基準に
他の表皮の縫い代を取るようにします。
人によって使う道具のサイズややり方が違うと思いますが
僕のやり方はこんな手順です。
大量に同じものを作る場合は専用のアダプターやパイピングも一緒にまとめて縫える
物もありますが、一品物製作が多いのでこのやり方で精度を上げた方が僕の場合は
仕上がりが綺麗な気がします。
縫い込みが難しい
パイピングは芯材のギリギリを縫えないと仕上がりが美しくないので、一度縫い込んだら縫い込みの甘い所を再度縫いつめたりするんですがこれがなかなかに神経使います。
失敗するとパイピングをまたいで縫ってしまったり、芯材の上に針を落としてしまったりするので注意が必要です。
ミシンの縫い目ピッチが広いとパイピングを乗り越えやすいので、
気持ちピッチを細かくしておくと失敗が少ないかと思います!
スポンサーリンク